ひでコラム」カテゴリーアーカイブ

本年も宜しくお願い申し上げます

お陰様で、昨年は1月にヘルパーステーション 律の樹(りつのき)を、6月に居宅介護支援事業所 灯の樹(ひのき)を開設することができました。「保健・医療・介護・福祉を通して、地域住民に、その人らしい生活や生きる喜びを提供すること」を経営理念とし、本年も社員一同、邁進して参ります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

ひでコラム NO.7 【死と向き合うこと】

年を重ねる度に、だんだんと身近な方が、お世話になった方が亡くなっていく。

以前は感じなかった感情が込み上げることもあった。

これから先、当たり前のことだけれど、もっと身近な方が、もっとお世話になった方が旅立つ日がくる。

この感情を、この経験を何度も繰り返しながら、自分の番がやってくるのかもしれない。

今はまだ、自分の死と向き合うことができるほど成長はしていないけど、いつか、向き合える日を迎えることが出来たのなら、それを幸せと感じで良いのかな、そう思った今日この頃でした。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

新年のご挨拶(代表取締役 清村)

新年、明けましておめでとうございます。
今年も、昨年一年の感謝の気持ちを胸に、どんど焼きに行って参りました。

起業して五年目、スタッフも増え、昨年も夢に一歩近づく事ができました‼️
そして今月より、ヘルパーステーション律の樹を開設致します。

地域の方が自宅で穏やかに過ごせるためには、私達は何ができるのか?
その答えの一つが「訪問」という分野で私達が携わることだと考えました。

心身機能を維持・向上したい方、日常生活動作を練習したい方、屋外活動や社会参加を叶えたい方などは、リハビリスタッフが訪問致します。

点滴や褥創、服薬管理やルート管理などの医療的な対応が必要な方、最期まで自宅生活を送りたい方などへは、看護スタッフが24時間、いつでも訪問致します。

そして、今月より開設しました介護部門では、調理や入浴介助、掃除や洗濯といった日常生活のサポートを実施することに加えて私達は「 御利用者様が出来るところも進んで実施する《お世話型介護》ではなく、 御利用者様ができないところはサポートし、出来るところは一緒に挑戦してみる《自律支援型介護》の視点」を持って訪問致します。結果、御利用者様の自立度の維持・向上に繋がり、私達の目指す「穏やに自宅生活を送る」ことに結びつくのではと考えております。

本年も、社員一同、地域住民のみなさまの生活をサポートできるよう、個々の力を発揮しながら邁進して参りますので、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

代表取締役
清村秀樹




ひでコラム NO.6 【文化の継承】


今年も蚕を育てた。
リハの利用者さんと一緒に、近くの公民館で 蚕を学ぶ機会を得て、3回目の夏。
今年は、利用者さんと来ることができなかったが、子供達と蚕の先生に、繭ができる過程を学びながら、自宅で蚕を育てた。
そして、繭を使って今年の干支である戌年の作品を作った。

蚕の飼育中、幼虫が桑の葉を食べる音を息子と聞いていた。
シャクシャクシャクシャク‥‥
昔々、じーちゃんやばーちゃんは寝ている時、この音を天井から聞いていたと話してた。
「お蚕様」と言った言葉があるように、一昔前は、蚕は人間より上で育っていた。それだけ、大切に育てられていた。そういう時代があった。

私は、蚕の糸で出来た服は持っていない。蚕を育てなくとも生きていける。

時代が変わると、文化も変わる。

昔は必要な技術だった鳥を捌くことや薪のくべ方、馬や牛を操る方法などなど、いまの私の生活には、全く必要がない。

でも、無くしてはいけない文化がある。
誰かが継承していく技術もある。

今回、蚕の先生から、日本人がどれだけ苦労して、丈夫な幼虫や丈夫な糸を創ってきたのかを教えて貰った。
そして現在、更に改良を加えた蚕を、先生は見せてくれた。

白くない繭。

宮澤先生が人生をかけて、餌や生活環境を少しずつ整え変化させながら、辿り着いたもの。

きっと、プロフェッショナルとはこういう人の事を言うのだと思う。

文化の継承。
私もいずれ、誰かに何かを伝えられる、そんなプロフェッショナルになりたいなぁ、なれるかなぁ、と思った、今日この頃でした。

今回も、最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます。

ひでコラム NO.5 【リハビリテーションを考える④】

〜そういうものと思い込む〜

先日、訪問先のご自宅にレトロなパーテーション(間仕切り)が置いてありました。
「おしゃれな間仕切りですね〜」と話し掛けると奥様から…「この前、息子が遊びに来た時に『お父さんのプライバシーが全く守られていない。かわいそうだ!!』って怒られちゃったんですよ。」との事。

ご夫婦はマンションにお二人で住んでおられ、主な生活空間は、リビングとその隣の和室(リビングとはふすまで仕切られている)の2部屋です。
ご主人は片麻痺があり、和室にベッドを置き使用されています。リビングへの移動を行いやすくするため、ふすまは常に取り外した状態です。
そのため、ベッド(和室)からリビングへの移動は楽に行えますが、日中の排尿動作はベッド脇で尿器を使用して行うため、リビングからは丸見えでした。
そうなのです。リビングからは丸見えだったのです。

私が訪問を始めた当初から、既にこのような生活環境でした。
私は、こちらのご夫婦にはこの環境が当たり前で、これで良いのだと思い込んでいました。排泄動作や移動動作を、より介助量を少なく、より安全に行うためなのだと、それ以上の事は気に留めず…。
残念ながら、その時の私は、ご本人様の羞恥心についての考えがすっかり抜けていました……。

今回、息子様は、人としてのごく当たり前な視点で今の現状についてアドバイスをしてくれました。
いつの間にか私の視点は、ご本人様ではなく、安全性や介助量軽減などの、教科書的な視点になっていました(昔は、もっとご利用者様の気持ちに寄り添っていたはずなのに…)

ご本人様は「パーテーション、嬉しかった。妻にこれ以上迷惑を掛けたくなくて気持ちを言えなかった」とおっしゃっていました。

作業療法士を10年以上続けてきましたが、まだまだ、まだまだ、若造だなぁと反省しました。
『そういうものだ』と言う思い込みをいつの間にかしていた自分自身に、情け無い気持ちでいっぱいになりました。

本当に、ご利用者様やご家族様から学ぶことはたくさんあるなぁと思った今日このごろでした。
そして、もう一度初心に戻ろうと決意した日でもありました‼️

今回も最後まで読んで頂いたあなた、感謝、感謝です🙇🏻

ささえあい第82号に掲載されました(代表取締役:清村)


※画像をクリックすると別画面(PDF)が開きます。

NPO法人 前橋・在宅ケアネットワークの会の会報『ささえあい第82号』に清村の記事が掲載されました。

訪問看護ステーションで働くリハビリスタッフは、どのようなことが出来るのかについて紹介しています。

ご一読いただければ幸いです。

ひでコラム NO.4 【リハビリテーションを考える③】

〜命の終わりに立ち会えない医療職〜

医療現場で働く人は、多くの人が生と死に立ち会います。
医師も看護師も、介護士もレントゲン技師も、薬剤師も事務員も…
しかし、リハビリスタッフは、生には関わるけれど死にはほとんど立ち会わない。立ち会う必要性がない。
なぜなら、リハビリを受ける方は、生を活かす希望を持っている方が多いから。命が終わりそうな方は、リハビリを積極的には求めないから。

先月までは、そう決めつけていました。

私の訪問リハビリを受けて2年が経つ御利用者様に、癌がみつかりました。
『息子が後1年で出張から帰ってくるので、それまでは、私が家を守っていかなきゃね』
それが口癖でした。
日に日に身体は浮腫み、リハビリ中も意識が朦朧としている時間が増えてきました。
一緒にひ孫さんとリハビリをする事も、地域のイベントに参加する事も、大好きな韓国ドラマを観る事も、80年以上付き合いのある友人との食事会も、少しずつ出来なくなってきました。
歩けなくなり…座れなくなり…起き上がれなくなり…寝返りも一人ではできない…

リハビリ、必要なんだろうか?
私は、何をしたら良いのか・・・。

悩みました。

悩みながらも、笑顔でリハビリを提供し続けました。
少しでも、身体の痛みを、心の辛さを和らげたいと願いながら。

でも、答えがやっぱり分からない。
だから、相談してみました。

主治医や看護師、ケアマネジャーの方々に。

『もう、リハビリの出る幕じゃないよ』
って言われる覚悟をして。

何ができるのでしょうか?

『やりたい事、やれば良いんじゃない。利用者さんは、清村君を必要としてるんでしょ。だったら、最期まで関わっていきなよ!!』

リハビリ中、以前のような会話が蘇りました。時には、目頭があつくなる事もありました。でも、いま出来る事を、いま伝えたい思いを形にして関わりました。

そして、私がリハビリをした2日後でした。家族に見守られながら、静かに息を引き取ったそうです。

確かに、リハビリスタッフは、利用者様の死に立ち会わない。立ち会えないことが多い。
でも、生ばかりを追い求めていたあの頃より、死が全ての方に平等に訪れる事を知った今の方が、人間らしいリハビリができる気がします。

御利用者様には、生前、しっかりと『ありがとう』の気持ちを伝える事ができました。また、介護に携わっていた御家族様の方とも、思い出話しがたくさんできました。
そして今回は、他職種の方々の温かさを知った日々でもありました。

やっぱり、人は一人では生きていけないですね。

明日も陽はまた昇る。
いちリハビリスタッフとして、これからもできる事から一つ一つ、始めていきます!!

今回も最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。

ひでコラム NO.3 【食育とリハビリと】

※写真はイメージです。

普段、なかなか子育てに関われないため、週末の妻が仕事の日ぐらい子を育ててみようと思いました…そこで、食育に挑戦 !!

パスタ&サラダ作り

子供達に包丁を持たせ、玉ねぎをカット→涙ポロポロで終了。  気を取り直し、人参カット→固くてきれない。すぐに終了。子供達のやる気はゼロに…。結局、私一人でパスタ作り
ん〜、どうしよ〜って考え、翌週は、リハビリの考えを取り入れてみました。

まず、子供達の出来る事を評価し、長女と次女で異なる課題を与えてみました(評価)。長女は包丁操作やトッピングなど、けっこう指示通りに出来たので、切りたい食材を好きに切って貰い、盛り付けもしてもらう。
次女は、切りやすい形に食材をカットしてあげる事で、一人でも包丁操作が可能に(個々に合わせた課題遂行)。
そして、火の扱いは私の担当。
ここで大切なのは、遂行できた課題については心から褒めること

何となくですが、子育ても、リハビリも「対象者の今できる能力を評価し、それに基づいて課題を提供する」「遂行できた課題については、良かった点を振り返り、褒める」と言う考えは似ているところがあるかなぁと思った今日この頃でした。

ま、味がそこそこだったのは、私の責任ですが…

今回もリハビリについて多くの方に知って貰いたいと思い、普段とは異なる角度からリハビリの紹介をしてみました。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!

ひでコラム NO.2 【リハビリテーションを考える②】

※写真はイメージです。

~梅酒が教えてくれたこと~

先日、右片麻痺の御利用者様から

『梅の木に梅が実ったから、好きなだけ持っていって良いよ、美味い梅酒ができるからさ』

と話があり、梅を頂きました。

昨日、左片麻痺の御利用者様に私が梅酒を作っている話をすると、その方から五年前に作ったと言う梅酒を頂きました。台所の床下倉庫から、数年ぶりに出した梅酒でした。瓶は二本あり、一本を私に手渡しました。もう一本は、今晩、娘様と飲んでみるとのことでした。

今日、頂いた梅酒を飲んでみました。美味しい。そして、胸が熱くなりました。

右片麻痺の方は、4年前から、毎年、この季節になると、摘まれずに落ちていく梅を眺めていました。

左片麻痺の方は、五年前に両手で作る事のできた梅酒を、昨夜、どのような気持ちで飲んだのでしょうか?

当たり前のことですが、全ての御利用者様には過去があり、五体満足な日々があった。

私の仕事は、目の前にある身体だけをリハビリするのではなく、その方の過去と現在を捉え、それを基に、これからの未来に繋がるリハビリを提供していかなければと、改めて思った日でした。
さ、明日からも、頑張るぞ!!

ひでコラム NO.1 【リハビリテーションを考える①】


先日の仕事での出来事です。
御利用者様は、明治生まれの女性の方。
認知症が進み、暴言や暴力がみられるようになりました。
そんな中、御家族様の希望でもある歩行練習を行っていると、

「そんなにやりたいなら、お前がやってみろ!!」

と強い拒否があり、全く動いてくれなくなりました…その後、車椅子から立つ練習も拒否(^^;;
御家族様からは、そろそろ訪問リハビリは無理ではないか? との話も出てきました。

確かに、歩行練習や立ち上がり練習といった機能訓練は実施困難でした。
しかし、リハビリとは機能訓練だけではありません。作業を通してのリハビリもある事を御家族様に伝え、許可を得てから実施してみました。

まず、歌を唄いました。
そして、輪投げをしました。

この作業(動作)だけでは、遊んでいるだけに見えるかもしれません。
私は、御家族様に説明しました。

御利用者様の好きな歌を唄うことは気持ちを和らげ、更に歌詞にある「故郷」の話題を挙げることで、昔の輝いていた時代を思い出して頂く。
そして輪投げは、始めは車椅子に座って行い、その後立って行いました。腕の運動と、立ち上がりの運動に繋げていく。
こう言った意味があると。

現在、訪問リハビリは継続して実施できています。また、御家族様からの不安の声も出ておりません。

リハビリテーションと言う言葉は、少しずつ、一般社会に周知されてきたと思います。しかしながら、リハビリの内容については、まだまだ周知出来ていないと感じます。
私のようなリハビリに携わるスタッフが、もっともっと専門性を説明し、実施していく必要性がある事を、改めて考えた出来事でした。

まずは、私に繋がる方々に、リハビリテーションを少しでも知って頂きたくて、長々と綴りました(≧∇≦)
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました!!